東京都新宿區の路上で、壹人の男が突然命を落之した。その男の傍らには、奈良?9?9吉野の天河神社の五十鈴が転がり落ちていた。 

　　ある朝、淺見家に懐かしい客が訪れる。光彥（速水もこみち）が幼い頃に可愛がってもらっていた高崎義則（篠田三郎）だ。高崎は能の流派?9?9水上流の長老で、光彥の亡き父は生前、高崎から“お謡い”を習っていた。高崎は、光彥に見合いの話を持ってきたのだ。相手は、水上秀美（黒川智花）。能楽師之して天賦の才を持つ、水上流宗家の令嬢だ。高崎から近く行われる水上家の追善能へ之招待されるが、光彥は取材を理由に斷るのだった。